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ブッダが考えたこと

◆『ブッダが考えたこと―これが最初の仏教だ』(宮元 啓一)

この本は、半ば期待が満たされ、半ば期待を裏切られた。期待していたのは、ブッダは輪廻を説いたのか、ブッダはヴィパッサナー瞑想つながるような瞑想を説いたのか等々、文献的な検証に裏付けられた明快な答えだった。説得力のある全体的な「初期仏教」像だった。

しかし、たとえば輪廻説についてはどうか。日本では、ゴータマ・ブッダは輪廻説を否定したとする論文も忘れたころに出現し、仏典で輪廻を説く箇所はみな後世の付加によるものとされるという。日本の仏教学者の最大の問題点の一つは、インドに生まれた仏教を、インド思想のなかで捉える努力をほとんどしなかったことだという。もし仏教誕生の土壌となったインド思想界から出発するなら、輪廻思想こそが最重要である。輪廻思想が成立してこそ、解脱へのあこがれが生まれ、出家という独特の生活形態も登場した。ブッダもそういう背景において出家したのだという。

しかし、これらは文献的に異論の出ようのない検証と考察というよりも、当時の思想的な背景からしてブッダの出家や教えは輪廻説を前提としなければ理解できなという推論的な考察であった。これはかなり強力な考察だと思うが、説得力のある文献的な検証ではなかった。一般向けの書物であることはわかるが、もう少しだけ文献的な裏づけをして欲しいと思うところにそれがなかった。

全体として文献的な説得力のある裏づけというより、著者の推論による考察が多かったのが意外だった。それなりに説得力がないとは言えないが、かなり反論の出る余地はありそうだった。

ひとつ非常に不満の残った考察があった。ブッダの目覚めの内容についての考察だった。根本的な生存欲の滅を達成することが目覚めであるが、それは完全な智恵を獲得を意味する。そのための修行法は、「思考停止を目指す瞑想」ではなく、「徹底的に思考する瞑想」だという。ブッダのいう智恵とは、徹底的に分析的な知識のことである。けっして「無分別智」ではないというのだ。

しかし、そうだとすればそれは分析的な知識として言葉によって表現できるものである。そして、それを読んで内容を理解したものは、誰もがブッダと同じ目覚めに達することができるはずだ。そして根本的な生存欲の滅を達成できるはずである。しかし現実にはそうではない。とすればブッダの目覚めの内容を分析的な知識に限定するのは、矛盾している。

著者は、別の箇所で、ブッダの「わたくしが知ったこの真理は深遠で、見がたく、難解であり、しずまり、微妙であり、思考の域を超え‥‥」という言葉を引用している。思考の域を超えるものは、分析的な知識に還元できないはずである。

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