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    2017.03.19 Sunday/ -/ / -/ -/ -/ -/ by スポンサードリンク

自律神経免疫療法

『自律神経免疫療法』福田稔著、安保徹監修(アキノ出版、2005年)
副題に「福田―安保理論の集大成、免疫を高めて病気を治す」とある。集大成というほど大部でも堅苦しい本でもないが、福田―安保理論と自律神経免疫療法を全体として眺めわたすことのできる本だ。監修者の安保氏も第2章で、自律神経と白血球の関係を分かりやすく語っている。
 
福田―安保理論は、ストレスと免疫力との相関メカニズムを初めて科学的に解明した理論として今後ますます重要性を増していくだろう。今回久しぶりに接してもっと勉強を深めていきたいと思った。
 
福田―安保理論関係の本を改めて読みたいと思ったのは、最近私が強い関心を持ち、実践も始めた甲田療法と付き合わせて、両者の関係をどのように理解することが出来るかを確認したかったからである。そのような関心からも、この本はたいへん興味深く読めた。
 
実は、最近取り上げた『食べ方問答』(甲田光雄、サンプラザ中野、マキノ出版、2004年)の中で甲田氏は、おそらく福田―安保理論に対して若干批判的な発言をしている。サンプラザ中野氏が、「ストレスを解消して副交感神経の働きを高めると、免疫力が強化されて病気が治るという免疫理論」についてどう思うかと、甲田氏に質問した。中野氏がいう免疫理論が、福田―安保理論も含んでの発言であることは間違いないだろう。
 
この質問に対して甲田氏は、「副交感神経を高めれば免疫力が挙がって病気が治るという理論自体は間違っていないが、ストレスが解消すればすべての病気が治るものでもない」と答えている。
 
たとえば、背骨の狂い、血液循環の不完全、腸内環境の悪さ等々が原因であるような病気が、副交感神経を高めただけで治るのか。また、交感神経と副交感神経とバランスが大切で、副交感神経を高めたからバランスが整うものでもない、と批判する。
 
以上の批判は、幸田氏の側の若干の理解不足がベースにあるような気がする。第一に、福田―安保理論でも、交感神経と副交感神経のバランスについては充分に言及されており、両者の比率の数字的に適切な基準も、顆粒球とリンパ球の割合という形で示している。
 
当然、副交感神経が過度に優位となり、リンパ球が増えすぎるとかかりやすい病気もある。たとえば、アレルギー疾患がそれである。しかし、病気の大半は、ストレスによる交感神経の緊張が招く血流障害と、顆粒球増加による組織破壊で発症するというのが、福田―安保理論のかなめである。だからこそ、副交感神経を刺激する養生法の必要性を説くのだ。
 
したがって福田―安保理論をきちんと批判するためには、「病気の大半がストレスによる交感神経の緊張からくる」という前提そのものを吟味する必要がある。そして、この理論については、福田、安保両者によるデータに基づいた研究が進んでいるようだから、批判はこの研究の方法や数字を具体的に挙げながらの議論でないと意味がない。
 
また、当然福田―安保理論は、「ストレスによる交感神経の緊張」以外の原因による病気も認めているのだから、それ以外の原因による病気もあるではないか、と批判するのは的外れである。
 
次に、福田氏からの小食療法への批判を見たい。ただし、福田氏は、この本の中で甲田氏や西式健康法の名前を挙げたり、朝抜き小食という方法を具体的に指摘しつつ批判しているわけではない。しかし、小食や玄米生菜食の問題について指摘する部分は確かにある
 
福田―安保理論では、リンパ球をふやして免疫力を高めることを重要視する。この観点から食べ物は、消化管を動かし、効果的に副交感神経を刺激するようなものを勧める。具体的には、玄米やキノコ、海藻類、野菜などである。これらは豊富な食物繊維があり、腸管を長く刺激する。しかも食物繊維は腸内で発生する活性酸素(ふえすぎるとガンをはじめとする生活習慣病を引き起こす)の除去にも役立つ。
 
栄養のバランスという観点からは、ほかに漬物、みそ、納豆、ヨーグルトなど発酵食品。これら完全食品を数種類食べるだけで栄養バランスをとることができる。つまり、主食は玄米、おかずに小魚、キノコ、野菜、漬物、豆などを適当に添えれば充分であるという。
 
この食べ物は、甲田療法で勧める食べ物と種類としてはほとんど同じである。何が違うかというと、肥満になったり、やせすぎなければ良いということで、あまり厳密には言わないことである。まんべんなく食べて、過食しない、少食になりすぎない、それだけ注意すれば充分とうことである。
 
ということで、福田―安保理論から甲田療法を見れば、不必要に少食をし過ぎるということになるであろう。(実際に名指しで批判をしているわけではないが。)
 
この違いは、病気の引き金になるものを何に見るかについて両者の違いから来る。福田―安保理論では、「多くの病気は、働きすぎ、心の悩み、薬の長期使用などのストレスによって交感神経が緊張し、免疫力が低下すること」だと考える。ガンやリュウマチや肩こりなど病気の原因はすべてストレスと見るのである。
 
これに対して甲田療法では、食べすぎが、ありとあらゆる病気の原因になっていると見る。食べ過ぎの結果としての宿便が、あらゆる病気の発生に関係していると言うのである。頭痛や肩こり、めまい等だけでなく、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、アトピー、膠原病、さらにガンも、宿便によって引き起こされる。たとえばガンについては、平均摂取カロリーの6割程度に食事の量を減らすと、ガンの発生率も一桁減少するというアメリカの報告もあるという。
 
問題は、甲田療法でいう食べすぎが、現代の栄養学では、一日に必要なカロリーとされることである。つまり、現代日本人はおおむね食べすぎということになる。  
 
たまたま、福田氏の本のなかに潰瘍性大腸炎の治療例が掲載されており、『食べ方問答』のなかにも同じく潰瘍性大腸炎の治療例が紹介されている。同じ病気に対する両者の考え方や治療法の違いが分かって興味深いので、比較してみよう。
 
まずは、福田稔氏の症例である。彼によれば、この病気の引き金はなんといっても心身のストレスである。ストレスが交感神経を緊張させ、顆粒球を増やし、大量の活性酸素を産出する。活性酸素が大腸の粘膜を破壊して、潰瘍やびらんができる。この病気の患者は、顆粒球が正常範囲を大きく超えて増加する。
 
W君は、初診時18歳だったが、顔面蒼白でやせ細りまったく生気がない。腹痛や下痢で疲れ果て「生きるのはもういい」というほど治る希望を失っていた。ステロイド系の薬などは止めていたが、影響は残り手足が氷のように冷たかった。
 
薬を止めて半年間、厳しい食事制限の下、玄米菜食を続けけていた。福田氏は玄米菜食は悪くないが、あれもだめ、これもだめだと返ってストレスになるから、何よりもおいしい食事を楽しくたべて体力を取り戻すよう指導したという。そう言われ、久しく食べていなかった好物のハンバーガーを食べたという。
 
自律神経免疫療法による2回目の治療で腹痛は完全に消え、その後、発熱や湿疹などのリバウンドはあったものの、2ヵ月後には下痢も止まったという。出欠が完全に止まるまでには1年かかった。治療を始めてから食欲が出て体重が増え、身長は半年で10cm伸びたとのこと。  
 
次は、同じく潰瘍性大腸炎の患者を甲田療法で治した例である(『食べ方問答』)。この病気で一日に20階から30回も下痢するような生活が3年間もつづいた患者が、甲田医院に入院した。断食療法を行ったところ、11日目に一晩に8回もトイレにいき、その度に茶碗一杯の便が出た。合計したらどんぶり鉢に二杯分くらい。
 
潰瘍性大腸炎は、現代医学で原因は解明されておらず、治療法も確立していない難病であるが、甲田医師は、一日2食の少食療法で治すことができるという。この病気になる人は、大食、肉食の人が多く、胃腸の吸収が悪くなっているが、少食療法で少食でも大丈夫な胃腸に変わるという。ただし、この病気ではすぐに下血するため、食事は玄米クリームが中心で、それによって腸の炎症を取り、胃腸の吸収をよくする。また、下痢や下血で塩分が失われやすいので、塩分の補給には気をつける。
 
治療の仕上げには本断食が行われる。上に挙げた患者も、仕上げの断食中の宿便排泄だったようだが、甲田医師の指導で自宅でこの難病が治った人が相当数いるとのこと(『長生きしたければ朝食は抜きなさい』)。
 
◆両者の違いをどうとらえるか
ということで、福田―安保理論と甲田療法の違いを見てきたが、私自身は両者の違いをどうとらえるか。両者には共通点もありそうなので、そうした点も視野に入れながら、まとめていきたい。  
 
ストレスが病気の発症や免疫力に深刻な影響を及ぼすということは、これまでにも指摘され、多くの人が経験的にその事実を認識していた。福田―安保理論の画期的なところは、自律神経系と、顆粒球とリンパ球の増減などとの関係においてそのメカニズムを明らかにしたことである。この理論は、対症療法的なこれまでの医学を乗り越え、新しい医学を目指して行く上で非常に重要な理論である。
 
また代替医療の多くが、自律神経の働きを調整し、バランスと整える作用に優れているがゆえに、代替医療の意味や効果についての理論的、科学的な基礎付けという役割も、福田―安保理論が果たしていくことになるだろう。
 
現に2004年には、鍼灸師を中心に「自律神経と免疫の研究会」が発足。ハリ治療師を中心に医師の協力を得て定期的な血液検査を行っているという。血液検査によって、白血球の比率をチェックすることで、自律神経の調整作用による免疫腑活効果を確認する。それによって、ハリの治療効果を医学的に立証できるようになったのである。福田―安保理論による血液検査は、ハリ以外の様々な代替医療においても活用できるだろう。気功、食事療法、漢方、ホメオパシー等々においてその効果を数値的に確認できる道が開けたのである。  
 
 福田医師の考案した「自律神経免疫療法」は、代替医療の中のハリ治療の一種と考えてよいとのことだ。ただし、福田医師は、なぜ一種のハリ刺激(実際には注射針やレーザー、電子針)が免疫力を高めるのかについては何も説明していない。ハリ刺激を実践し、語る以上は、経穴や気について触れない分けにはいかないだろうが、その点については何も語っていない。福田―安保理論と経穴や気の理論をいかに結び付けていくかは、今後の課題だろう。
 
一方、玄米菜食の少食や断食療法も、それが実際にどれだけ免疫力を高める働きがあるのか、白血球の比率の変化で立証できるなら、より信頼性が増すことだろう。そうなれば、どんなに素晴らしいか。要するに福田―安保理論は、代替医療を統合していくためのかなめの理論としての役割を果たしていくだろう。代替医療相互は、それぞれ排他的に自己の理論の正しさを主張するのではなく、互いの療法への理解を深め、その良さを自己の理論に取り入れていくべきなのである。
 
潰瘍性大腸炎ひとつにしても、その原因をストレスと見て対処すると同時に、少食や断食療法が効果的である治療例も抑えておくべきである。そうした相互理解が、どの代替医療を中心にする医師にとってもプラスになるはずである。
 
甲田療法を虚心に読み、実践すれば、その効果、素晴らしさはやはり無視できない。とすれば、ストレスが免疫力を低下させるとともに、現代人にあっては、食べすぎが免疫力を低下させる面が多大であることを認めることで、代替医療そのものが、その理論的な広がりと実践の療法のレパートリーをより豊かに展開していくことが出来るのである。  
 
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