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    2017.03.19 Sunday/ -/ / -/ -/ -/ -/ by スポンサードリンク

菊とポケモン―グローバル化する日本の文化力

アメリカの人類学者による、「クール・ジャパン現象」をめぐる本格的でアカデミックな研究書である。原題は、Millennial Monsters(千世紀の怪物たち)。日本的なものが、現在どのようにグローバルに普及しているのか、とくに米国市場で子供たちをどのように日本の遊びの美学に適応させたかを、様々な角度から詳細に分析する。この本が取り上げるのは、世界的なブームを引き起こした次の四つである。つまり、パワーレンジャー、セーラームーン、たまごっち、そしてポケモン。

個々のキャラクターグッズ等についての考察については、追って触れることにして、今回は、一読しての全体的な印象に触れておきたい。

まず感じるのは、きわめてアカデミックな研究で、ポストモダンを代表する哲学者にもさかんに言及しながら考察を深める。しかもアメリカの研究者としてはめずらしく、関連する日本語の文献にも相当にあたっいる。さらに、日本のキャラクターグッズを可能な限り多面的に考察しようとする意図的な方法論に貫かれている。コマーシャリズムに乗って投入される商品として、文化パワーの象徴として、楽しく親しみを生むファンタジーとして、ポスト産業化時代の不安をかかえた若者文化の一症状として等々。自分自身も、子供たちに「指導」されながらゲームに夢中になり、多くの子供や関係する人々にインタビューを行うなど、フィールドワークもしっかり行なっているようだ。

ただ、クールジャパン現象を日本の文化的伝統と関連づける考察はほとんどなされておらず、日本のアニミズム的な心性とポップカルチャーを結びつけて論じるところも、きわめて表面的で、むしろ誤解を生みやすい表現になっているところが気になった。

最近の「クール・ジャパン現象」について、日本人の本などではかなりの報告があるし、インターネットに接していれば、ある程度の実感はつかめる。しかし、米国の研究者が、アメリカの内側から、信頼できる研究を行なった成果として確認できるのは貴重だ。

「米国市場で売られている日本製品にファンがつくことなどは別段目新しいことではない。『ゴズィラ』や『スピード・レーサー』を見て育ち、中年になっても日本の作品の熱烈なファンだという人たちを私は大勢知っている。それが今では、日本のポップカルチャー製品は米国市場を席巻しているだけではなく、米国の国民的想像力や想像世界にも大きな影響を与えている。」

そのように大きな影響力を持ち始めた日本のポップカルチャーの秘密を、およそ10年のフィールドワークと、アカデミックな方法論に基づいて、徹底的に探ろうとした本書は、「クール・ジャパン現象」が一時的、表面的なものではなく、現代の世界文化にとってきわめて重大な影響力をもった出来事なのだとうことを認識する上でも、一読の価値があると思う。

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