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「半断食」健康法

◆『「半断食」健康法

著者は、西洋医学の医者であるが、若き日に体が弱く、「過敏性大腸炎」にそうとう苦しむ。種々の民間療法の本を読み漁り、二木謙三の『食べ物と病気』や西勝三の『原本・西式健康法読本』に出会う。そこで「少食がよい」「青汁が効く」などと知り、朝食をキャベツとリンゴのジュースにしたら、4年近く悩んだ「下痢としぶり腹」が治ったという。

甲田光雄氏も西式健康法に出会い、少食・断食の甲田療法に突き進むが、共に原点が自分の病気の癒しだったことが興味深い。自分の体で知ったことは、いくら西洋医学の説と相容れなくとも、信じざるを得ないだろう。

いくつかの少食・断食の本を読んだが、相互に細部の主張は若干差がある。しかし、少食や断食がいかに健康にとってプラスであるかの理由についての説明は、基本的なところでは変わらない。この本は、断食の医学、断食の生理についてより多角的に書かれているので参考になった。断食関係の著者の違う本を何種類か読むと勉強になる。

東京都知事の石原慎太郎が、10日間の断食道場に毎年通っていることはすでに知っていたが、この本を読んでそれが伊豆にある石原結實氏の「断食道場」であることを知った。断食といっても、この道場の場合は比較的楽なもので、朝は人参リンゴジュース三杯、10時ごろに具のないみそ汁、昼に人参リンゴジュース三杯、三時に生姜湯、夕方に人参リンゴジュース三杯、黒糖を加えて飲む生姜湯を何杯飲んでもよいというもの。

こことは限らないが、私もチャンスがあれば挑戦したくなっている。

この本では、断食や小食の生理学を多角的に論じている。参考になったことを箇条書きしてみる。

1)空腹になると血糖値が下がるが、血糖値を上げるメカニズムは、体内にいくつもある。血糖値を上げるホルモンが、アドレナリン、グルカゴン、サイロキイン、コーチゾール等々いくとも存在する。つまり人間は飢餓になれており、対応方法が多い。しかし食べすぎで血糖値が上昇したときは、すい臓から分泌されるインシュリンしか、それを下げることができない。

甲田光雄氏も、次のような専門的な説明をしているので参考のためにここに記す。 脳のエネルギー源はブドウ糖で、脳はそれを貯蔵することはできないから、ブドウ糖に変換される炭水化物や糖分を補給しないと脳が活性化しないとされる。しかし人間は、糖が不足しても、肝臓は筋肉に蓄えられたグリコーゲンを分解して血糖値を一定に保つから、血液中の糖が不足して脳に栄養がいかないことはまずありえないという。 脳は、ブドウ糖だけをエネルギー源とするが、断食などをすると50パーセントはケトン体のβ―ヒドロキシ酪酸をエネルギーとして使い、ブドウ糖は30パーセントにすぎないという。ケトン体は、脂肪が分解されてできる物質である。つまり、断食をすると、体内の糖分が尽きるので、脳は体内に蓄えられた脂肪をエネルギー源として使用するようになる。しかもケトン体は、脳にα波を増やし、脳下垂体からはβ―エンドルフィンとう快感物質の分泌を増やす。つまり、心はさわやかになり、平穏になって、とてもリラックした状態になる。

2)「吸収は排泄を阻害する」のが人体のセオリーである。食べすぎるとさらに排泄が悪くなり、逆に「食べない」「小食にする」と排泄がよくなる。断食中は、口臭、目やに、尿の量、発疹等々、排泄が活発化する。血液中の老廃物が出て、血液が浄化される。病気の根本原因は、実際の要求より多量に食べることである。余分に食べた食物は体内に蓄積され、血管を塞ぎ、血液の循環を悪くする。これが万病の原因である。断食は、蓄積された老廃物を排泄する。

3)生命に必須の重要臓器は、断食中も、当然たんぱく質を必要とするので、生体は、○○炎という炎症、病変のある組織、腫瘍、水腫などの、本来健康体には存在しない、異質の組織(病気)に存在するタンパク質を利用する。また血中の余分な糖分も同様に利用される。その結果、こうした病変は消失する。これを「自己融解」という。

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