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    2017.03.19 Sunday/ -/ / -/ -/ -/ -/ by スポンサードリンク

心を生み出す脳のシステム:再考

◆『心を生みだす脳のシステム―「私」というミステリー (NHKブックス)』より:クオリアと主観 

《まとめ》私たちが知覚する世界の特徴は、それがさまざまな質感(クオリア)に満ちているということだ。目覚めている限り、私たちの心の中にはクオリアが溢れている。「私」とは、「私」の心の中に生まれては消えるクオリアの塊のことだとも言える。

クオリアが、物質である脳の中のニューロンの活動からどのようにしてうまれるのかという問題は「難問」とされ、意識とは何かに答える上で最大の鍵と言われる。

脳の中で起こる物理的・化学的過程は、全て数量化できる。しかし、脳のニューロン活動は、私たちの心を生み出す。主観的体験を生み出す。主観的体験は、さまざまなクオリアに満ちている。このクオリアは、数量化を拒絶する。

私たちの心の中には、ほとんど構造化が不可能に思われるユニークな質感の世界が広がっている。こられ全てのクオリアが、それ自体は物理的現象として数量化可能なニューロン活動によって生み出されている。これは、まさに驚異だ。

物理・化学的にいくら脳を詳細に記述してみても、例えば、私が現に感じている「赤」という色の生々しさ、それがニューロン活動によって引き起こされているということの驚異自体には、全くたどりつけない。(39〜42)

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ここで問題にしたいのは、「主観的体験は、さまざまなクオリアに満ちている」という捉え方だ。クオリアとは、結局、主観にどう感じられるかという問題なのだ。主観を前提としないクオリアなどありえない。クオリア的な体験こそが主観的体験なのだ。

さらに言えば、『「私」とは、「私」の心の中に生まれては消えるクオリアの塊のことだとも言える』という言い方は正確ではない。「私」という主観性がなければ、クオリアはそもそも感じられないのだから。


だから、「クオリアが、物質である脳の中のニューロンの活動からどのようにしてうまれるのか」という「難問」の根本には、物質である脳の中のニューロンの活動からどのようにして主観性が生まれるのかという問題が横たわっているはずだ。

そして私には、脳の物理・化学的過程をどのようにほじくり回したところで、主観性が生まれてくるメカニズムを解明することなど出来ないと思われる。クオリアに満ちた主観的な体験は、脳の物理・化学的過程とはまったく異質な説明原理の上に成り立っているのだ。それは、失恋した時の、脳の物理・化学的過程をどれほと解明できたにせよ、私にとっての失恋の痛みや悲しみを説明したことにならないし、それが理解されたことにならないのと同じである。臨死体験や至高体験、覚醒も、それが主観にとってのクオリアとして体験される以上、脳の物理・化学的なメカニズムを超え出てしまう次元をつねに含んでいるのである。

付け加えるなら、近代科学のパラダイムそのもの変換が必要なほどに、この問題は根源的なのである。そしてそのような変換を示唆するような主張は随所に現れはじめている。ただそれは、体制的な科学の側からは無視されているに過ぎない。

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心を生み出す脳のシステム:再考

◆『心を生みだす脳のシステム―「私」というミステリー (NHKブックス)』をめぐって

「現代の科学的世界観を前提にすれば、神経活動といえども、やはり一つの物質的現象に過ぎない。なぜ、神経細胞が活動すると、そこに主観的体験が生まれるのか――その必然性を、現時点で「科学的」根拠から説明することはできない。実際、私たちが意識を持つ存在であることは、物理学を一つの典型とする科学的世界観からすればあまりにも奇妙な事実なのである。」

「私たちが意識を持つという事実をいかに説明するかということは、今日の科学にとって最大の課題の一つである。脳科学の進展にもかかわらず、そもそも、神経活動に伴ってなぜ意識がうまれなければならないのか、その第一原理は未だ明らかにされていない。」

これは実は、『心を生みだす脳のシステム』のなかにある文ではなく、『脳はいかにして“神”を見るか―宗教体験のブレイン・サイエンス』の監訳者あとがきでの茂木の文章である(254・255)。しかし、彼の一貫した問題意識が鮮明に出ている。

意識の存在が、典型的な科学的な世界観からすればあまりに奇妙な事実なのだとすれば、科学的な世界観の延長線上でそれを説明しようとするのではなく、その世界観そのものを疑ってみればいいのに、と私は思うのだが。

「現時点では、私たちの意識がニューロンの活動からいかに生み出されるかについて、確実に言えることはとても少ない。ただ、一つだけ確実なのは、私たちの意識が、脳のニューロンのネットワーク全体のシステム論的性質から生み出されているということである。」(『心を生みだす‥‥』26)
 
しかし、ニューロンのネットワークといえども、物質的な現象の集まりであることには変わりない。物質的な現象の集合から、どうして非物質的な意識が立ち現われるのかを脳の科学はまったく説明できない。

科学的な世界観は、方法論上、意識という非物質的な存在を認めないのだから、科学的な世界観そものが変わらない以上、この問題は解けないのではないか。これは、非常に明白なことのような気がするのだが。
 
なぜ意識問題、クオリア問題が従来の科学的世界観では解決不可能なのか、意識というものの根本的な特性にさかのぼって考える必要があるだろう。これは、私自身の課題であるが。

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心を生み出す脳のシステム:再考

◆『心を生みだす脳のシステム―「私」というミステリー (NHKブックス)』(茂木健一郎)をめぐって

この本の基本的な主張は、「心を生み出す脳のシステムは、単純な機能局在説では理解できない」こと、「生化学的な知見や機能局在は、脳というシステムの、いわば断面図に過ぎない。断面図をいくら集めても、私たちの心を生み出す生きた本質はには迫れない」ということである。

一方では、「心を生み出すのは、脳全体にまたがって、1000億のニューロンが作り上げる、複雑で豊かな関係性である。つまり、心を生み出すのは、脳というシステムなのだ」として、脳が心を生み出すとはっきりと断言する。

前書きで、そう断言しながら、最後には、著者は、実は「ニューロンを一つ一つ集め、ある関係性を持たせるとなぜそこに心が宿るのか、その第一原理さえ皆目検討がつかない」と告白するのである。

タイトルやまえがきの勇ましさにくらべると、最後の弱腰の言葉には、明らかなギャップがあって、その落差の大きさにちょっとびっくりする。最近の脳の科学の成果を読むことは刺激に満ちていたけれど、筆者は、およそ困難な課題に取り組んで、最後に弱音を吐いているような気もする。

私たちは、みなそれぞれ主観的な体験をもっている。「朝の空気のすがすがしさ、午後のけだるさ、ビールの最初の一杯の爽快さ‥‥‥これらの主観的体験に満ちた意識は、一体どのようにして生じるのか。この問題は、私たち人類に残された最大の謎と言ってもよいだろう。」(18) 
 注:( )内の数字は本のページを示す。以下同様。

この問題は、「物質に過ぎない脳のニューロン活動から、いかにして薔薇を見ている時の生々しいクオリア」が生じるのかという問題に置き換えることもできる。クオリア=「薔薇を見た時に心の中に浮かぶ赤い色の感じのように、私たちの心に浮かぶ質感」(12)

茂木は、クオリアのめぐるこのような問題は、「従来の意味での科学的記述を脳に関していくら積み上げても、根本的に解決することはできないだろう」ともいう。クオリア問題は、「従来の物理学に象徴される科学的世界観に開いた穴なのである。」(13)

こうして書き出してみると、茂木が、本の出発点において問題の本質をしっかりと表明していることが分かる。にも関わらず、一方では科学的世界観の延長線上でこの問題を解こうと必死になっている。そういう矛盾した姿勢が見て取れる。

「何もないところから、私たちの意識が立ち上がる」過程を明らかにするためには、脳の中で1000億のニューロンがお互いに結ぶ関係性(システム)を第一原理として、それ以外の何ものも仮定せずに議論を進める必要がある」(21)と著者はいう。

まるで、脳における機能局在説から関係説に変えれば、意識の問題はすべて解決するかのごとき言い方だが、一方では「ニューロンを一つ一集め、ある関係性を持たせるとなぜそこに心が宿るのか、その第一原理さえ皆目検討がつかない」という弱腰なのだ。この二重性はいったい何だろうか。表現にはっきりとした揺れがある。

私には、茂木が提出したような問いに含まれる根本的な問題性をまず明らかにする必要があると思われる。それは、心とは何か、主観性とは何か、意識とは何かという問題だ。

クオリアでいう質感とは、つまり主観に感じられる性質であり、結局は主観性の問題にいきつくのだ。だから問題は、ニューロン相互の関係性を完璧に解明するという方向が、どうして主観性の解明につながるのかという問題になる

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脳のなかの幽霊

評価:
V・S・ラマチャンドラン,サンドラ・ブレイクスリー
角川書店(角川グループパブリッシング)

出版6年目で10万部のロングセラー。読み物として抜群に面白いが、内容も濃く読み応えがある。この本の飽きさせない面白さは、著者の持ち前の探究心によって患者にシンプルだけど独創的なアイデアを凝らした様々な実験を行い、脳の機能の真実に迫っていくことにある。それが読者の知的探究心を刺激する。著者がユーモアに溢れた遊び心をもった科学者であることも、読んでいてよく分かる。著者自身は、あくまでも科学的な世界観の持ち主だが、こうした最先端の脳の研究から「自己」は実体のない幻想であるという、東洋的、仏教的な考え方と類似の主張がなされることも興味深い。

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生命観を問いなおす―エコロジーから脳死まで

ちくま新書の一冊。一読して、その問題提起の深さ、視野の広さに強い感銘を受けた。学ぶことが多かった。

環境の問題、生命の問題が問われている。しかしその問題は、近代的世界観や資本主義の論理という私たちの外部にある制度が引き起こしたというべきではない。問題は、私たちの外部にではなく内面にあるのではないか。私たちの内面、あるいは生きるという営みそのものに目を向けなければ、環境倫理学や生命倫理学に共通する限界を超えていくことはできないのではないか。それが著者の問題提起である。

環境や生命の問題を論じながら、ディープエコロジー、さらに精神世界やニューエイジ、ニューサイエンスといった、一時代を築いた潮流に触れつつ、その限界や問題点を明らかにしようとする。私もその潮流に深くかかわってきただけに大いに学ぶものがあった。

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フィールド 響き合う生命・意識・宇宙

これまでばらばらに進んでいた科学上の研究を、整合性のある全体にまとめることで、神秘主義、代替医療、ニューエイジなどで語られてきた世界観に科学的な妥当性を与える試み。この本の価値は、「ゼロ・ポイント・フィールドZPF」という量子物理学のキー・ワードを縦糸にして様々な分野での業績が結び付けられ、解明されていくことにある。もし「ゼロ・ポイント・フィールド」の考え方によって意識の非局在性や、空間を超えた相互作用や、癒しの能力などが説明できるとすれば、これほど魅力的な新理論はない。

私にとってとくに興味深かったのは、第4章でホメオパシーを扱い、第5章で脳とホログラフィー理論をテーマにした部分であった。とくにホメオパシーを扱ったところは読み物としても面白く夢中で読んだ。前半に比べると後半、とくに第2部「拡大するこころ」以降は、厳密な科学的な手続きによって行われた、遠隔透視など最先端の超心理学的な実験の数々を紹介しており、興味深く読むことができた。  

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意識は科学で解き明かせるか

量子力学やボームの「量子ポテンシャル」理論などに触れながら、脳科学の最先端でどのようなことが問題にされているかを対話のなかで明らかにしていく。ニュートン以来の物質的な世界観では、心はあくまでも余計なものであり、脳科学者も物質としての脳を記述することに精一杯で、心と脳の関係を実証的に研究する科学者は少ないというのが現状だという。脳と現代物理学、脳と心の問題など、脳にまつわるさまざまな問題を知ることが出来て有益だった。天外伺朗の柔軟な発想がこの対話を面白くしている。

JUGEMテーマ:オススメの本

魂の記憶―宇宙はあなたのすべてを覚えている

本書の中心は、ゲリー・シュワルツの「シュワルツの仮説」。興味深い具体例を散りばめながら面白くこの仮説を紹介する科学読み物だ。「シュワルツの仮説」とは「私たちの住むこの世界は様々なシステムにより構成されており、それらすべてのシステムは、なんらかの情報を発したり受け取ったりしている。その情報のやり取りのなかで、システムに記憶が宿る」というもの。

この本の面白さは、「シュワルツの仮説」を傍証する興味深く分かりやすい事例を次々にとりあげて展開されていく点。とくにホメオパシーの事例と、心臓移植患者にその提供者(ドナー)の人生の記憶が入り込む「心臓の記憶」の事例とが興味深かった。ヨーロッパの代表的な代替医療であるホメオパシーの治癒原理を「シュワルツの仮説」から考察。ホメオパシーとは何か、ホメオパシーでなぜ治るのかを知るための読み物としても面白い。心臓移植患者に、そのドナーの記憶が甦るという事例が、これほどに多く、無視できない事実として研究され、複数の出版物があることまでは知らなかった。

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地球は心をもっている

ラブロック博士のガイア仮説をさらに発展させ、生命の進化を「惑星心場」の概念から説明する。ガイア仮説は、地球全体がひとつの恒常性を保つ生命体であると考えるが、ウィーラー博士はそれと一歩すすめて、ガイアは惑星心場といわれる一種の心的な場をもっており、地球の生物にはっきりとした物理的影響、とくに進化への影響を与え、進化の原動力となる。 地球の営みや進化が、近代科学的な機械論的な因果関係で説明することがいかに難しいかを説明する具体例がたくさん出てくる 。

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99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方
ベストセラーになっただけのことはある。常識を覆す見方を提示する。固定観念を覆し、科学といえども結局はいつ反証されるかも知れない仮説の集合にすぎないことを分かりやすく説く。このような斬新な見方を、大きめの活字で、気軽に読める親しみやすい語り口で示す。読み終わって「なるほどそうだったのか」と大切なことを学んだという思いを深くする。

取り上げられている事例がまた面白い。次から次へと出てくる。飛行機がなぜ飛ぶのか科学は説明できない。悪名高きロボトミー手術は、当初ノーベル賞まで授与された評価の高い医療技術だった。その評価がいっきに覆るいきさつ。日本人学者のノーベル賞がうわさされていたペンタクォークの発見が疑問視されていく経緯。進化論と知的設計説との関係等、読んでいてあきない。

しかも副題に「思い込みで判断しないための考え方」とあるように、人生や社会を見る態度においても、すべてを仮説としてとらえることがいかに大切か、というとことろまで読者に語りかける。

私自身は、気や臨死体験など、科学の枠組みでは捉えきれない現象に興味をもち、探求してたので、近代科学の枠組みでは説明できない現象には目を閉ざす、ないしは頭から否定するという「常識的」な態度にはつねに不満をもってきた。本書では「大仮説」という考え方も提示し、宇宙を創造する「知的設計者」を仮定する説が真剣な科学論争になっていることも紹介している。

科学にたいしてこのように柔軟な見方が広まれば、精神世界の探求もよりオープンな形で進んでいくだろう。精神世界に関心をもつものも是非読んでおきたい一冊だ。

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